2012年05月15日

雑誌『メロディ』感想 : 2012年06月号-4

『秘密2010 END GAME 最終回』感想です。
※単行本派の方は激しくネタバレなのでご注意下さい。

Melody (メロディ) 2012年 06月号 [雑誌]

車を降りた薪さんを青木も追います。公園でしょうか。ザアッと木々が風に揺れる音に、青木は思い出します。薪さんと缶コーヒーを飲んだあの時のことを。ずっと一緒に捜査していくんだと思って泣いた、あの時と同じようにベンチに座った薪さんが、青木を見上げます。
(もう明日の朝から『第九』に行ってもこの人はいない 明日もあさっても もう きっともう この人と一緒に仕事をする事はない もう)
「…薪さん…!」「…あの…」
そうだ、行け、言うんだ、青木!これがラストチャンスだぞ!
しかしニッコリ微笑む薪さんに、青木の気負いが削がれます。そして、その笑顔に赤面しちゃう青木。
「雪子さんから連絡があった」
「ーーーえ?」
「鈴木のデータを他の遺品と共に供養したって 『これでようやく”克洋君の死”を受け入れられる』 そういってた」
(「つよし君 あなたも?」)
鈴木さんの死を受け入れられる…?もう墓守の必要は無い…?
「…… そうですか」
「悪かったな 使って」
「え? いえ! そんな事は!」
ここで薪さん、爆弾発言。
「青木 おまえ 結婚しろ」
どんな顔で言ったのかと思ったら、これが何とも穏やかな顔。青木、ぽかん。
「雪子さんと結婚して『家庭』を持って… 自分の子供をもて」「おまえなら 舞ちゃんと自分の子供を同じように分け隔てなく 愛する事が育てる事が出来る」
うう、そりゃ、出来ると思いますが。やっぱり、雪子ご指名なんでしょうか。
「『第九』の人間が」「いつまでも捜査員の『命』や『私生活』を犠牲にするような機関ではいけないんだ」「そんな事は僕や鈴木の時代で終わりにしなければ」
青木、滝沢の言葉を思い出します。
(「何故 鈴木は婚約しなかったと思う?」「薪が結婚出来ないからだよ」「『家族』をもつ事を望まれない人間が」)
薪さんが「僕や鈴木の時代」と言うことは、滝沢のこの言葉は正しかったのでしょうか。鈴木さんはこのために、雪子の視線の先の薪さんを見て、このことを思い出し、自分だけ結婚は出来ないと、指輪を渡すのを止めたのでしょうか。鈴木さんの想いって…。
「一度は警察を辞めようかとも思ったが… でも残るからには」「おまえ達が晴れて各管区本部の室長になる時には」「僕も『組織』を変えられるだけの役職に就いて『第九』が捜査員の『安全』と『家庭』と共に発展していけるように尽力する…!」
薪さん…!!何て良い男なんだっっっっ!!!
「だから」「青木 だから」
安心して雪子と結婚しろ、と?
(『愛する家族』や『子供』を持つ事を望まれない人間がーーー)
(この人は 誰よりも自分が「欲している」「望んでいる」事に気がつきもしないで 「それ」を人に与えようとしている 自らを犠牲にして いつも 一人で「孤独」に戦って)
青木は…薪さんが欲し、望んでいることは、「愛する家族」や「子供」を持つ事と思っているようです。
「それは……… 命令ですか………」
命令だったらするのかいっ。
「いいや 願いだ」
うわーん、薪さんのこの曇りのない表情!
青木、涙が出てきます。
「あなたがいつもそうやって我慢しているから オレ達の前で何も言わずに総て飲みこんで口に出さないから」「だからオレ達も…言っちゃいけないって思うじゃないですか………っ」「薪さんをひき止めちゃいけないって…っ 『行かないで下さいって』」「『どこにも行かないでずっと「第九」にいて下さいって』
薪さんの両肩を掴み、涙ながらに訴えます。
「薪さんさえ いてくれたらって………」
ビックリ顔の薪さん。思ってもいなかった、って顔ですか。
「すいません…」
手を放し、薪さんの前にしゃがみ込みます。青木の肩に手を伸ばしかけ、薪さんの手は触れずに下ろされました。ここで手を差し伸べても、もう何も出来ないからでしょうか。
ってかね、青木!これで最後なんですよ、明日にはもう薪さんはいないんですよ?なのに、ここまで、ここまで追いつめられても、出てくる台詞は「オレ達」「第九にいて下さい」ですか。もうダメだ、こいつ、絶対に気付かないわ<暴言失礼。

第九。小池が時計を気にしてます。
「あ いえ 薪さん今日の午後だったよなーーーと思って…」
皆、何となく冴えない表情です。
「ろくな催しも挨拶もなしってのが まー あの人らしいですけど… 花束ぞーてーとか…」
花束贈呈!それは見てみたかった。でも私物取りに来ただけで行っちゃったんですよね…。
「しかし…ちゃんと無事 出発出来ますかねえ…」
山本が変な事を口走ります。
「青木さんが」「薪さんと離れたくないあまりに思いあまって いきなり薪さんを拉致して逃避行しちゃったり 成田で航空機操縦免許ちらつかせて ヘリで直接薪さん乗せてアメリカじゃないとこ行っちゃったり…」「しないといいですねぇ〜〜〜〜〜〜」
笑った。確かに青木なら行動自体はやりかねない。というか、いっそこれくらい思い切ってくれたら、青薪的には良いんですけどね。

青木の携帯が鳴り響きます。車中、成田空港へ向かってます。
「何だろ 急に… すいません… 緊急かもしれないんで ちょっと見てもらえますか」
今度は助手席に座っている薪さんに、携帯を渡します。続々と入っている第九メンバーからのメール。早まるなと心配する内容ばかり。
「何ですって?」
ピッ、ピッと躊躇わず削除する薪さん。
「迷惑メールだった」
「あっ すいません」
「とことん 信用ないな お前」
「は?」
道路標識がどんどんと成田空港へ近付いていることを示します。もうあと、1キロ。
「青木」
「すいません オレ今しゃべると またヤバいんで…」
驚いて薪さんが青木の顔を見ると、泣きそうな顔をしてました。この時、薪さんは何を言おうとしていたのでしょうね…?「たまにはメールでもしろよ」とか?それとも全然関係無い岡部さんへの伝言かな?

成田空港到着。
「ここまででいい ありがとう」
シートベルトをはずす薪さん。
「青木」
青木は薪さんの顔を見れません。
「青木」
覗き込むようにされても、見れません。駄々っ子のようです。
「…………」
薪さんが何か言いました。驚いた青木が、薪さんの顔を見ます。
「? え?」
ニッコリ微笑んだ薪さん。
「薪さん 今なんて…」
バン しかし素早く車から降りた薪さんは、青木の質問に答えず、振り返らず、そのまま雑踏の中に消えました。荷物、無いんでしょうか…薪さん、身軽すぎ。

薪さんはその後、ニューヨークで多大な功績を残し、3年後に警視長となり帰国。警視長科学警察研究所所長に着任。
言葉通り、組織を変えられる役職です。有言実行、薪剛。もう〜、どこまで格好いいんですかっ。
その1年前に第九は解体され、全国展開始動。北海道に山本、東北に宇野、関東に岡部、中部に小池、近畿に今井、中国に曽我、四国に斉藤(滝沢に代わり入った)、九州に青木がそれぞれ室長として着任。現在も難事件にあたっている。
薪さんと鈴木さんの夢が…!青木、26歳で室長ですか…苦労しそうだなあ、部下と衝突とか。これからもMRIは発展していく、という『秘密』的には素晴らしいエンドです。

最後。何故か青木のMRI画像、初めて第九に来た時から始まり、数々の事件、雪子との出会い、医務室で青木の胸に顔を埋める薪さん、滝沢の遺体の前で抱きしめた時の薪さん…。
青木視線の薪さんが新鮮、とても美しいです。でも雪子の登場が中途半端なような…薪さんだけじゃダメだったのかなあ。
そして成田へ向かう日。車を停めた青木に薪さんが話しかけます。
「青木」「青木」「いそがなくていい」「いそがなくていい」「待っているから」
先程は書かれていなかった薪さんの言葉が分かりました。以前にも聞いたことのあるこの台詞。当時の背景は、薪さんに「捜査できないなら ジャマだから帰れ」と言われ、(あまりにふがいないと 側にも よらせてもらえない 一緒に捜査させてもらえない あの人たちと 薪さんといられなくなる)と落ち込み、しかしある事を思いつき伝えようと、地下駐車場へと走り追いかけた時。薪さんといられなくなったと落ち込んでいる青木に伝えられた言葉。
記憶力の良い薪さん、同じ台詞を以前言ったことがあると覚えていたのだと思います。また一緒に仕事をしよう、と。

次号「エピローグ一期一会」に続く。

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2012年05月07日

考察(いろいろ) : 青木への恋心

薪さんの、青木への恋心は消えてしまったのでしょうか。(※最終回のネタバレが出てきます)しづさんへのコメントを書いた後、考えてしまいました。

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2012年05月04日

雑誌『メロディ』感想 : 2012年06月号-3

『秘密2010 END GAME 最終回』感想です。
※単行本派の方は激しくネタバレなのでご注意下さい。

Melody (メロディ) 2012年 06月号 [雑誌]

ピンボーン ピンポーン
ホテルの部屋で着替えていた薪さん、腕時計を見ます。8時38分。約束の時間より早いようで、ちょっと不機嫌な顔。ドアの覗き穴から覗くと、そこに立っていたのは…。
「……」
思わず固まる薪さん。
「薪さん」
とドアの向こうから声を掛けられ、思わずビク。覗いてるのバレタ!という感じ?驚く素の薪さんがとっても可愛い♪
「青木です 成田空港までの送迎役を岡部さんに頼んで代わってもらいました」「すいません 早く来すぎましたのでロビー1階で待っております」
バン!!といきなり開くドア。怒りの薪さん。しかし想定内の青木、冷静です。
「ああ やっぱ お嫌いですよね 薪さんは こーいうサプライズ… さかだってる さかだってる」

岡部さんの携帯が鳴り響きますが、ビクビクの岡部さん、電話に出ません。
「チッ あのおくびょうもの」
苛立ちながら携帯を切る薪さん。青木も部屋に入れて貰ってます。
「薪さん 岡部さんを怒らないで下さい」
「おまえが言うな!」
「……… ですよね〜 ………」
なに、この「やっぱ」とか「ですよね〜」という青木の楽しい返答は。
「でも 薪さん」「何で俺を避けるんですか」
青木、グッド・クエスチョン。この言葉にフンとそっぽを向く薪さん。
「別に避けてない 泣き虫の大男が嫌なだけだ」
「…それは否定しませんけど 泣き虫って事なら薪さんだってけっこう」
バシッ
青木、もう直属の上司じゃないせいか、言葉が軽くなってません?面白いから良いんですけど。

車の中。
「今日は別に薪さんを怒らせに来たわけでも 叩かれに来たわけでもなくてですね 実は薪さんに謝罪する事がありまして…」
左頬にはしっかり手の跡が。平手でしたか。てっきり拳固かと思いました。
「薪さん? 何でそんなはじめて車に乗る人みたいな変な格好してるんです?」
後部座席で、シートベルトと、頭上のアシストグリップをしっかり握っている薪さん。
「バックミラーばかり見るな! 運転に集中しろ! 僕はもうあのヘリの二の舞はゴメンだからな!」
青木の運転が怖い…訳ではないですよね。以前にも乗ってますものね。
「ああ…」「……よく覚えてますね 2年前の1月でしたね」
『秘密』の世界ではたった2年ですかあ。
「謝罪したい事っていうのは」「例のあの『カニバリズム事件』ですが… 前にオレ 薪さんにあの事件を『公開』すべきだって トイレで訴えましたよね」「オレも鈴木さんの脳を見た時に『カニバリズム』を見てしまったと…」「でも あれは 実は…」
「知ってた」「おまえ本当は『事件』なんてろくに見てなかったよな」
「…え」「…いつ気がついて…」
「運転中に振り返るなバカ 前見ろ 前 どっか止めろーーーっ」
停車。しかし青木、ようやく会えた薪さんに話したいことが、これですか。
「もし」「『報告書を作成出来る』くらいちゃんと見ていたのだとしたら」「それを模倣した一連の事件の数々の類似点におまえだけは気がつかないといけなかった」「つまりおまえは『見ていない』でなけりゃ無能すぎて『第九』の捜査員失格だ」
「…………すみません…」
「後先考えない おまえのハッタリはいつもの事だ 今更 驚かない」
青木、気にするとこはそこ?これのせいで姉夫婦が殺されたのかとか、そういう考えは無し?
車外を見ていた薪さん、赤ちゃんを抱っこしている2人組を見て、
「もう懐いたのか」
「? はい ? な・何が?」
突然の質問に戸惑う青木、薪さんの視線の先を見て気付きます。
「舞ですか? ハイもうすっかり…! たまに徹夜あけのまま頬ずりすると ヒゲがあたるらしくすっげー しかめっ面して拒否られますけど」
それを聞いてフと微笑む薪さん。その表情に青木、嬉しそう。
「それで ちゃんと報告はしたのか?」
青木の方は見ずに、また質問。
(?? 今度は何だ…? 報告? 報告……)(ほとんど禅問答)
「あ はい」「はい!」「18日の姉の月命日に 母と舞とで…」「おかげ様で いい報告が出来ました」「薪さんもお忙しい中 何度も手を合わせに来て頂いたときいてます」「ありがとうございます」
この言葉に、薪さんの表情は曇ります。姉夫婦が殺されたのは、自分のせいだから?
青木は結局、どうして彼らが狙われたのか理解したのでしょうか。(青木 かわいそうに おまえ いっそ狂っていた方が楽だったのに かわいそうに)という台詞が以前ありましたが、狂った方が楽なくらい可哀想なことって、結局あったのでしょうか。
ガチャ
居たたまれなくなったのか、薪さん、外に出ちゃいました。

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